イベント詳細
日中戦略的国際科学技術協力推進事業 第2回シンポジウム
水の反復利用によるリスク低減のためのモニタリング評価と対策技術に関する研究
開催日:2009年1月13日
場所:京都大学桂キャンパス Cクラスター C1 大講義室(191)
主催:
- 京都大学
- 清華大学(中国)
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
共催:
- 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
- 中国国家科学基金委員会(NSFC)
Report 011
概要
我が国では、淀川におけるように、上流の都市と下流の都市との間で水が非意図的に反復利用されている河川も少なくありません。また、都市での修景や用水として意図的に下水処理水が再利用されることもあります。一方、中国においても上下流での反復利用とともに、特に水資源量不足が懸念され、下水の再利用が積極的になされようとしています。しかしながら、下水には、現在では規制対象とはされていない内分泌攪乱化学物質や医薬品等の微量有機汚染物質が含まれ、これらによる人間や水生生物へのリスクが懸念されています。また、浄水過程で生成される副生成物のリスクも問題になっています。 このようなリスクを同定し管理しうるシステムを提示することを目的に、科学技術振興機構(JST)および中国国家科学基金委員会(NSFC)から助成を受け、京都大学と中国・清華大学との国際共同研究事業を2006年より開始しています。前年度の公開シンポジウムでは、対象化学物質による汚染の現状を中心に報告し、この事業での成果の中間発表を行いました。この公開シンポジウムでは、対象化学物質の除去技術を報告し、更なる展開を模索する目的で企画いたしました。
報告
土木研究所の岡本上席研究員から特別講演として下水処理における話題を提供していただいた後、京都大学から3名、清華大学から4名が講演を行った。内容は有害物質のモニタリングや、その除去に関する最先端の研究紹介であり、今後水の反復利用をより適正に促進する上で、重要となるテーマで活発に議論がなされた。研究者をはじめとして、国や自治体関係者、環境関連会社等から80名を超える参加者を得た。 また休憩時間にはポスター発表が行われ、大学院生など若手研究者の多様な研究成果が紹介され、熱気にあふれる意見交換が行われた。