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災害リスク管理

研究領域リーダー  多々納裕一 教授

研究領域の目的

災害リスク管理領域では、実践適応科学(Implementation Science)としての「人間安全保障工学」の確立のため、アジア・メガシティにおける防災・復興政策を戦略的にマネジメントするための総合的、分野横 断的な学理を構築することを目的としています。

研究の特徴

災害とは、自然現象としての地震や洪水等のハザード(Hazard)の空間分布に、人口や資産の空間分布が重なりあって生じる現象です(図1)。近年、アジアにおける災害の死者数、負傷者数、経済的損失が増加傾向にあり、これはアジアにおける災害脆弱地域に人口や資産が集中してきていることを示しています。災害に対してより弾力的(resilient)な都市の形成をはかるためには、統合的な災害リスク管理政策を構築することが必要であり、アジア・メガシティにおける災害リスクマネジメント政策を考える上でこのリスクマネジメント手段の統合化は重要な概念です(図2)。また,発展を続ける都市郡の中で、 いかに我々の知識や知恵を実践適応的な形で融合し、共有化し、実現させていくかは重要な研究課題です。研究者が長年蓄積してきた知識をいかに現実の問題に適応するか、知識(knowledge)と実践(practice)の乖離を埋める方法論を確立し、問題解決指向型の研究を推進、発展させていくかが本研究領域の最大の目的であり、課題です。
災害リスクマネジメント領域では、ムンバイ(インド)、ハノイ(ベトナム)、上海・広州(中国)、クアラルンプール・ジョホールバル(マレーシア)等の具体的都市を対象として、災害リスクを軽減させるための実践可能な技術を開発すると共に、現場に即した総合リスクマネジメントスキームの立案を行います。

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図1:Hazard, Exposure, Vulnerabilityの関係性


図2:統合的な災害リスク管理対策