リーダー挨拶
京都大学工学研究科の地球工学科系及び建築学のグループ、地球環境学大学院(地球環境学堂・学舎)及び防災研究所は、2008年度から「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」のテーマでグローバル・センター・オブ・エクセレンス・プログラム(GCOE)を実施しております。GCOEとは、日本の文部科学省が行っている事業であり、「大学院の教育研究機能を一層充実・強化し、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図るため、国際的に卓越した教育研究拠点の形成」をめざすものです。アジアのメガシティでは、ベーシック・ヒューマン・ニーズ、環境汚染、災害とそれらに対する自立的な対応能力をいかに確保するかが大問題となっております。しかし、過去数十年間は失敗の歴史でした。都市の膨張が急激に起こってきたこともありますが、さらに重要なことは、そうしたリスクに対応する技術、制度の整備がバラバラに行われてきたこと、さらに技術や制度を取り入れても、それをマネージするコミュニティーや人材の整備に関心が払われてこなかったためであります。このような認識に立ち、このプログラムでは、土木工学・建築学・環境工学・防災学をベースとしながらも、徹底した現場主義に基づき、工学技術と都市経営管理と制度づくりの相補的な共進化の促進に力を注ぐことによって、これまで築いてきた要素的な学問を、人間安全保障の確保に向け、都市の管理戦略や政策策定を含む総合的な学問に脱皮させ、それに基づいた教育・研究を行います。具体的には、京都に置く本部拠点に加え、アジア地域の7都市に展開した海外拠点をベースに、各国大学・研究機関・民間企業などと共同研究を行い、年間20名の博士課程学生を養成するなど、様々な活動を実施しております。
このプログラムに関心ある方々の積極的なコンタクトを期待します。
拠点リーダー 松岡 譲 教授
京都大学工学研究科 都市環境工学専攻