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イベント詳細


GCOE特別セミナー 第二回環境分析技術セミナー「環境試料の前処理方法とLC/MS/MSの測定原理」

開催日:2009年4月22日
場所:清華大学深圳研究生院L棟109(中国)

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
京都大学EMLプログラム「環境マネジメント人材育成国際拠点」

出席者数:20

Report 033

概要

深圳拠点ではこれまでに、研究に必要な体制・関係が構築されてきた。このため、水環境における水質汚染物質の実態把握や、膜処理技術を用いた浄 水処理システムの高度化などに関する研究を行う事が計画されている。一方で中国の水環境は、極めて汚染された状況にあると予想されるため、環境ホルモン類 やPPCPsなどの極微量物質の挙動を把握するためには、最大限に注意を払って分析を行う必要がある。しかしながら、清華大学深圳研究生院には環境分析を 専門とした教員がおらず、前処理方法や測定方法について学習する機会がない。さらに、今後利用する可能性の高いLC/MS/MSについては、全く知識がな いため、教育する必要がある。本セミナーは、清華大学深圳研究生院の全学生およびモニタリングセンターの職員を対象として、1環境試料の前処理方法とその 適用、2LC/MS/MSの測定原理を習得することを目的とする。

報告

本セミナーでは、水試料に含まれる微量汚染物質を機器分析を用いて分析するために必要な前処理の種類や方法、さらには、LC/MS/MSの測定 原理について概説した。前処理については、参加者がこれまでに行ってきた方法に加えて、始めて聞く方法もあり、前処理の選択の広さを実感できたものと考え られる。また、目的物質の物性および化学構造と適切な前処理方法の組み合わせにも言及したため、実際に前処理を行う場合の適切な方法の選択に関する基本的 な情報を与えた。さらにセミナー後半では、新たに配備したタンデム型質量分析計(MS/MS)をLC/MS/MSとして使用することを想定し、LC/MS /MSの測定原理について説明した。これは、これまでに質量分析技術として複数の参加者がGC/MSの使用経験を持っていたが、GC/MSとLC/MS /MSでは測定原理が異なるためである。インターフェースやイオン化部の構造、フラグメンテーションの原理などについて説明したが、始めての講義であった こともあり、一定の理解は得られたものの、十分な理解には至らなかった。今後、今回のセミナーに加えて、実際にLC/MS/MSをオペレートしながら指導 を行う必要性が示唆された。