イベント詳細
都市ガバナンス領域研究会 インドネシアにおける歴史的市街地・集落と建築の再生と保全
開催日:2009年5月29日
場所:京都大学桂キャンパス Cクラスター C1 講義室(172)
主催:
京都大学グローバル COE プログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
都市ガバナンス領域
出席者数:約25名
Poster
Report 046
概要
インドネシアのジョクジャカルタ旧王宮地区の保存活動への功績で、第14回日経アジア賞文化部門を受賞し、表彰式に出席される為に来日されたラ レットナ・アディシャクティ氏を京都大学にお招きし、 インドネシア各地の遺産やまちなみ景観の保全・再生活動およびジャワ島中部地震被災地での復興活動に関して基調講演していただくとともに、今後の研 究交流のためのディスカッションを行った。
報告
インドネシアは多様な文化遺産をもっている。また、環太平洋造山帯に位置していることから世界有数の地震国でもあり、これらの文化遺産は常に地震をはじめとした自然災害の危険にさらされている。
しかし、インドネシアにおける防災管理は未だに準備不足である。近年、多くの地震災害がインドネシアを襲い、文化遺産にも多くの被害が発生した。
こうした文化遺産の持続のためには、災害リスク管理だけでなく、時代や環境の変化にあわせた遺産の保護管理も必要となってくる。また、その際には 有形の文化遺産だけでなく、その保護と平行して無 形の文化遺産を保護していくこと、も重要である。
ラレットナ氏は、コタゲデとイモギリでの活動事例から地元住民が中心となった活動が重要であり、そのための情報共有と防災教育の必要性を指摘した。 「災害は災難です。しかし、災害は機会であるかもしれません。こうした機会においては創造力が必要となってくる。そのためには協力が必要である。」 とし、コミュニティー全体が問題を共有し、一体と なって保全活動に取り組むことが重要であり、遺産保全は日常の一部として取り組むべきであると指摘された。
質疑応答では、保全と変更のバランスや、遺産保全に関する法律に関しての意見交換がなされ、今後の研究交流のためのビジョンを共有する場となった。