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イベント詳細


防災研セミナー −都市水害の最新研究−

開催日:2009年8月19日
場所:京都大学防災研究所 所長室(E320D)

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
災害リスク管理研究領域(防災研)

出席者数:約20名

Report 054

概要

本セミナーは、文部科学省グローバルCOE「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」の災害リスク管理研究領域の主催で、都市災害の中でも重要性を増している都市水害について、その最新の研究成果を紹介するものである。 中国、韓国、台湾といった東アジアの国々では、台風の襲来や集中豪雨により、毎年、多くの水害に見舞われており、都市域では地下浸水などわが国の都市型水 害と類似の水害が現れてきている。このような背景のもと、地下浸水やその際の避難に関する解析や氾濫時の道路交通障害予測など、都市水害に関する最新の研 究成果を紹介するとともに、水害の予測手法や今後とるべき種々の対策について、外国人教員や留学生を含めて、総合的な議論を展開することをねらいとするも のである。

報告

セミナーでは、石垣泰輔関西大学教授から「Potential Risks and Evacuation in Urban Floods」、米山望京都大学防災研究所准教授から「Three Dimensional Numerical Simulation for Inundation Disasters」、戸田圭一京都大学防災研究所教授から「Study on Traffic Difficulties Caused by Urban Flood Inundation」という題目で話題提供がなされた。
石垣教授の講演では、最近のわが国の都市水害の特徴が詳しく紹介されるとともに、実物大の階段模型、ドア模型、車模型を用いた体験型の避難実験の研究成果が報告された。短時間豪雨の頻発する状況下、迅速な避難の重要性を再認識させられた。
米山准教授は、自身が開発した三次元の数値シミュレーションモデルの都市水害の諸問題への応用について講演した。詳細な地下浸水の解析や津波来襲時の漂流物の挙動の解析などが紹介された。 戸田教授は、京都市域を対象として、洪水氾濫時の交通障害の程度を定量的に評価する手法について紹介した。都市水害時の「都市機能の確保」に関係する問題は、今後、さらに深めていくべき研究テーマである。
各講演終了後いくつかの質問があり、またセミナー終了後も講演者と参加者の間で熱心な討議がなされていた。またセミナーには教員や学生のみならず、建設コンサルタントで勤務する若手の技師の参加が数名あり、このテーマへの関心の高さが示された。