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イベント詳細


2009年度道路アセットインフラ管理に関する京都大学-ベトナム交通通信大学ジョイントトレーニングコース

開催日:2009年9月28日 - 30日
場所:ベトナム交通通信大学

主催:
- 京都大学経営管理大学院
- ベトナム交通通信大学

共催:
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 京都大学経営管理研究センター

出席者数:約40名

Report 060

概要

道路インフラアセットマネジメントに関する京都大学とベトナム交通通信大学(University of Transport and Communications)のサマーコースは、2005年から毎年開催しています。このコースの目的には、1)インフラアセット管理の基本的な概念と理論の理解、2)舗装や斜面、橋やトンネル等の道路インフラを設計し、管理するための基本的な分析枠組みを習得、3)建設、管理におけるリスク管理手法の理解の深化、4)これらの知識の実社会への適用方法の習得、5)講義受講者に対する終了証の授与があります。さらに、道路アセット管理に関する最新の傾向を把握するため、講義内容は最新の研究成果を踏まえた形で毎年更新しています。本サマートレーニングコースは、道路管理に携わる学生、研究者さらに実務者を対象に行っており、講義の質を担保するため、ベトナムにおける道路管理に実際に携わる実務者や研究者を講義者として招聘しています。本コースの最終的な目標は、道路アセット管理に関する経験や知識を普及させ、実務者や学生の能力開発を行うことであり、こうした講義を通じて、ベトナム政府が独自に道路管理システムを開発、管理していくことを促しています。

報告

本サマートレーニングコースの受講者として約30名が参加しました。トレーニングコース初日は、はじめに小林教授から、本サマーコースの目的とアセットマネジメントの概要について講義が行われました。続いて、Nguyen Xuan Dao教授より、ベトナムの舗装管理の現状について講義が行われました。続いて、 Nguyen Viet Trung教授から、ベトナムの橋梁管理におけるリスクマネジメントの考え方について講義が行われました。続いて、吉田助教より、インフラの劣化予測モデルを構築する上での基礎知識であるハザードモデルについて講義が行われました。さらに、UTCのThao講師から、舗装管理におけるライフコスト分析を行うための基礎モデルとベトナムでの適応事例について講義が行われました。初日の最後は、大津教授から斜面管理について講義が行われました。二日目は、はじめにNguyen Viet Trung教授から、ベトナムにおける橋梁管理について講義が行われました。続いて、マルコフモデルを用いた劣化予測モデルについて大阪大学の貝戸講師から講義が行われました。NEXCOの高橋氏からは、NEXCOのもつアセットマネジメントシステムの紹介が行われると共に、ベトナムでの取り組みについて講義が行われました。続いて、阪神高速道路㈱に所属する坂井氏より、高速道路における舗装管理のあり方について、日本の事例を交えながら講義が行われました。二日目最後の講義は、パスコ(株)の青木氏より、舗装管理システムとデータベース設計について講義が行われました。最終日ですが、はじめに塩谷准教授から、アコースティックエミッションを用いたモニタリング技術について講義が行われました。続いて、ベトナム人であり、京都大学工学研究科の博士後期課程のNam氏より、ベトナムの道路アセット管理について講義がおこなわれました。最後に、博士後期課程のHan氏より、韓国における舗装管理の現状とそのシステム構築について講義が行われました。 講義受講者は、最後に試験を受け、それを通過した参加者に対してはサーティフィケートを授与しました。サマーコースを通じて、二国の大学の交流及び協力関係が強化されると共に、ベトナムの舗装管理を担う実務者に対して、道路アセット管理に関する体系だった知識を提供することが出来ました。