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イベント詳細


水の反復利用によるリスク低減のためのモニタリング評価と対策技術に関する研究

開催日:2009年10月28日
場所:京都大学桂キャンパス Cクラスター C1 大講義室(191)

主催:
- 京都大学大学院工学研究科
- 中国清華大学
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
- 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
- 中国国家自然科学基金委員会(NSFC)

出席者数:86名

Report 068

概要

我が国では、淀川におけるように、上流の都市と下流の都市との間で水が非意図的に反復利用されて いる河川も少なくない。また、都市での修景や用水として意図的に下水処理水が再利用されることもある。一方、中国においても上下流での反復利用とともに、特に水資源量不足が懸念され、下水の再利用が積極的になされようとしている。しかしながら、 下水には、現在では規制対象とはされていない内分泌攪乱化学物質や医薬品等の微量有機汚染物質が含まれ、これらによる人間や水生生物へのリスクが懸念されている。また、浄水過程で生成される副生成物のリスクも問題になっている。このようなリスクを同定し管理しうるシステムを提示することを目的に、科学技術振興機構(JST)および中国国家科学基金委員会(NSFC)から助成を受け、京都大学と中国・ 清華大学との国際共同研究事業を 2006 年より開始してきている。2007年度の第 1 回公開シンポジウムでは、対象化学物質による汚染の現状を中心に報告し、この事業での成果の中間発表を行った。2008年度の第 2 回公開シンポジウムでは、対象化学物質の除去技術を報告し、更なる展開を模索する目的で実施してきた。今回の第 3 回公開シンポジウムも同様の趣旨で行うとともに研究の総括を試ることを目的とした。

報告

京都大学 津野洋教授から開会挨拶と事業概要説明があり、引き続き、田中宏明教授から「PPCPsの現状・対策と評価手法」、津野洋教授から「EDCsおよび POPsの現状・対策とモニタリング手法」、清華大学黄霞教授からは「膜分離型A2Oプロセスによる都 市廃水中の典型的な環境微量汚染物質の除去」、清華大学張錫輝教授から「深圳川における水質汚濁の統合的な制御」と題しての成果報告がなされ、会場からも質疑がなされた。昼食時間をはさみ、午後からは、会場横のロビーでポスターセッションが行われ、22 件の成果発表がなされた。その後清華大学の文湘華教授から「廃水再利用のための膜ハイブリッドシステム」、京都大学山下尚之講師から「合流式下水処理施設における衛生微生物の実態と制御に関する検討」、伊藤禎彦教授からは「微生物の定量的感染リスク評価手法」、環境省西修水環境課長補佐からは「新たな水環境保全政策の展開」と題する発表が各々なされた。休憩をはさみ、パネルディスカッション「水域のリスク物質の管理の今後の展開」が津野洋教授をコーディネータに、西修課長補佐、 黄霞教授、 伊藤禎彦教授、山下尚之講師をパネラーにして行われ、会場からも活発な質問がなされた。これらにより、処理技術の開発とその効果判定がなされ、適切な処理法が提示されるとともに、調査で蓄積された環境データを基にリスク評価法の開発とモニタリング手法の開発がなされた。 また、その評価がなされるとともに提示された。