イベント詳細
日本および中国南部における上下水道事業の将来展望に関するワークショップ
開催日:2010年3月5日 - 6日
場所:京都大学桂キャンパス Cクラスター C1-2棟 グローバルホール人融
主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
共催:
京都大学EMLプログラム「環境マネジメント人材育成国際拠点」
出席者数:40名
Workshop Poster
Report 087
概要
GCOEの拠点を構える深せん市では、上下水道の計画・施工・運営を深セン市水務集団が行っている。本ワークショップでは、この水務集団のエンジニアを招聘し、深せん市ならびに中国全体における上下水道の計画・施工・運営に関する現状と将来展望に関する講演を戴き、京都大学の水分野に関連する各教員が個別に設定する研究テーマに反映させることを目的とする。一方日本側からも、同様に日本の上下水道事業の現状と将来像を概説し、両国の事業の進め方の差異について理解を深める。また、大阪市の浄水処理場、湖南中部水再生センターを現地視察する。
報告
本ワークショップでは、まず、日本の下水道および上水道の現状と将来展望の観点から、京都大学の伊藤教授ならびにGCUSの藤木様よりご講演いただいた。さらに、深セン市の上下水道の現状と将来展望を深セン市水務集団のZhang教授、深せん市水務集団の活動内容をYou博士よりご紹介いただいた。また、GCOEやEMLの活動内容を松岡教授、藤井教授からそれぞれ紹介いただき、深せん拠点での活動を八十島准教授、資源回収型の都市廃水・廃棄物処理システムと要素技術について西村准教授、次世代高度浄水処理プロセスの開発について越後准教授、新たな水循環システムの構築について田中教授からそれぞれご講演いただいた。中国側からは、日本の技術やアプローチに関する質疑が積極的に行われた。また、日本側からは、水務集団の業務範囲や、新技術への期待に関する質疑が行われた。本ワークショップを通じて、双方の研究や実務に対する理解が一層深められた。
ワークショップに引き続き、大阪市の村野浄水場の施設見学を実施した。この浄水場では、繰り返し利用された水を水道原水としているが、水処理によって直接飲用できる水を配水している事に大きな興味が寄せられた。さらに、6日には、日本最高レベルの技術を誇る湖南中部水再生センターの視察を行った。この下水処理場では、超高度処理と呼ばれる処理によって、栄養塩類の大幅な低減を達成しており、処理方式等に関する質疑が繰り返された。
本ワークショップならびに現地視察を通じて、深セン市の上下水道事業の理解が深められたうえ、強固な関係を構築できた事は大きな成果となった。