イベント詳細
人間安全保障工学に関する国際シンポジウム「地球科学の人間安全保障への貢献」
開催日:2010年10月4日 - 6日
場所:バンドン工科大学 キャンパス(インドネシア)
主催:
- 京都インドネシア留学生協会
- 関西インドネシア留学生協会
共催:
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 京都大学グローバルCOEプログラム「地球温暖化時代のエネルギー科学拠点」
- 京都大学東南アジア研究所
出席者数:120名
発表者数:19名
Flyer
Guidelines for contributor of book chapter
Itinerary of Symposium for October 4th and 5th, 2010
Report 119
概要
このシンポジウムの目的はITB工科大学、京都大学の研究者やインドネシア・日本両国の共同研究者による近年の研究成果を普及させることにある。
報告
人間安全保障工学に関する国際シンポジウム「地球科学の人間安全保障への貢献」が、バンドン工科大学、京都大学そして京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」の共催で、バンドン工科大学East Aulaを会場として10月4, 5日に開催されました。バンドン工科大学と京都大学の教員だけではなく、日本とインドネシアの石油・天然ガス開発会社、地熱開発会社やコンサルタントからも人間安全保障工学に関する講演が全19件あり、150人の参加者を有する特別な2日間イベントになりました。このシンポジウムでは、Wawan Gunawan A. Kadirバンドン工科大学副学長(研究・革新技術担当)と松岡俊文京都大学教授から開会の挨拶がありました。
シンポジウムの主な目的はこのシンポジウムと同じ題名の教科書を出版するための端緒となることで、講演者の何人かはこの本の主要な執筆者となる予定です。この本は下記の4つの章から構成される予定です。
・ 都市域における課題抽出と解決
・ 炭化水素資源の持続可能な開発とCCS(二酸化炭素の地中貯留)
・ 代替エネルギー資源としての地熱
・ 都市災害の防止と管理
このシンポジウムでは、地熱などの代替エネルギーについても議論されました。インドネシアには莫大な地熱資源が存在することが知られていますが、総資源量27,000 MWeの4.5%に相当する1,200 MWeしか利用されていません。インドネシア政府は2025年には9,500 MWeが生産されているかもしれないとの楽観的な見通しを持っております。インドネシア政府はエネルギー保障に関する新しい政策を発表しましたが、その一つは2020年までに二酸化炭素排出量を26%削減するというもの、もう一つは新しい代替エネルギーの使用を2025年までに25%引き上げるというものです。これらの政策はインドネシアの地球科学者にこの視点を持つように方向付けるとともに、継続的な国際協力関係によってこの施策を強力に推進するよう求めています。今回のシンポジウムではインドネシアと日本の様々な機関から多くの参加者がありましたので、新たな研究協力関係を構築することが議論され、研究者と技術者がより深く交流する機会にもなりました。
10月6日には日本側参加者がカモジャン地熱地帯を訪問しました。ここではPertamina Geothermal Energy(PGE)社が操業しており、30年以上に渡って減退することなく生産活動を継続しております。現在の生産量は200 MWeとなっております。