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イベント詳細


人間安全保障工学に関する国際シンポジウム「地球科学の人間安全保障への貢献」

開催日:2011年5月16日
場所:インドネシア バンドン工科大学(ITB) 東キャンパス中央ビル公会堂

主催:
- バンドン工科大学(ITB)
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 京都大学

共催:
- Pertamina
- JAPEX
- RITE
- 深田地質研究所

出席者数:87名

Program
Poster
Report 156

概要

本研究集会の目的は大きく二つある。一つは「インドネシア東ジャワ州Gundih地区における二酸化炭素地中貯留やモニタリングに関するパイロット研究」に関する共同研究プロジェクトに関係する、インドネシアや日本の大学や研究機関、民間会社の多くの研究者を繋げることである。また、もう一つは人間安全保障工的な事例と強い関わりを持つ共同体に対する近年の研究成果や貢献を共有することである。本集会では、インドネシアと日本の人間安全保障に関するネットワークを拡張し、国際的な協力関係を強化することが望まれている。
さらに、本集会はGundih地区での二酸化炭素地中貯留(CCS)に関する新しい技術を実用化するための初期段階である。また、この地区はインドネシアの国営石油開発会社、Pertamina EPによってガス開発が行われている。

報告

「インドネシア東ジャワ州Gundih地区における二酸化炭素地中貯留とモニタリング技術の適用」に関する本研究集会は、2011年5月16日ITB工科大学東キャンパス中央ビルにおいて、ITB工科大学や京都大学、京都大学グローバルCOEプロジェクトアジア・メガシティの人間安全保障工学拠点により開催された。本集会には、ITB大学や京都大学だけではなく、インドネシアや日本の他の組織や民間会社(Pertamina, JAPEX, RITE, 深田地質研究所、早稲田大学)から来た研究者や学生達が参加し、計10人の発表者と87人の参加者が出席した。
ITB工科大学石油・鉱山工学部長Sri Widiyantoro教授により本集会は開会した。基調演説は京都大学CCSプロジェクトリーダー(松岡俊文教授)とITB工科大学Research and Innovation専攻副学長(Wawan Gunawan 教授)によって行われた。松岡俊文教授は二酸化炭素地中貯留(CCS)に関して、Wawan Gunawan教授はITB工科大学におけるCCSプロジェクトに関する前途有望な技術に関して発表を行った。参加者達は発表に大変関心を持ち、インドネシアにおけるCCSの発展や可能性に関する多くの質問があった。
基調演説の後は、二つのセッションがあった。第一セッションでは、Ridho Affandi氏が東ジャワGundih地区における地質・物理探査学的研究について、Djedi S. Widarto博士が東ジャワGundih地区におけるCentral Processing Plant(CPP)に対するCCSに関する研究の可能性について、佐藤徹氏がCCSを適用する戦略と技術について、薛自求博士が二酸化炭素の地質学的貯留における地震波・岩石物理学の適用について発表を行った。一方、第二セッションでは、Tutuka Ariadji博士が二酸化炭素地中貯留の技術経済評価について、高橋亨博士が二酸化炭素地下貯留のキャップロックとしての泥岩の動的もしくは静的弾性定数の解釈のための岩石物理学のモデルについて、三上潤氏は苫小牧のCCSサイトのレザーバーシミュレーションについて発表を行った。それぞれの発表に対して多くの質問があった。
本研究集会は、Wawan Gunawan教授によって閉会し、全発表者の考え方は大変興味深く、Gundih地区におけるCCS技術の適用のための研究計画に用いられると述べた。本集会の成功に続き、2011年5月17-20日にインドネシアと日本の間でCCSのパイロットプロジェクトの準備の議論のため幾つかの会議が行われた。

写真:キャプションはReport 156でご覧になれます。