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イベント詳細


インドネシア,ジャワのGUNDIH地区における二酸化炭素地中貯留(CCS)に関する第三回シンポジウム

開催日:2011年9月21日(08:30 -12:15)
場所:ジャカルタ Sultanホテル(インドネシア)

主催:
- ITB工科大学
- 京都大学
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
PERTAMINA, JICA, JST, RISTEK, EBTKE, DIKTI, BP MIGAS, 深田地質研究所, JAPEX, RITE, 東京大学, 富山大学, 早稲田大学, 秋田大学

参加人数: 113名

Poster
Report 176

概要

本シンポジウムの目的は、さまざまな技術的、もしくは非技術的な観点から、CCSに関しての理解を深め、二酸化炭素排出量削減のためインドネシアにおけるCCS技術の適用に向けた意見交換である。多くの大学、研究機関、政府、民間企業からインドネシアや日本の地球物理科学者が本シンポジウムに集まった。

報告

本シンポジウムは、2011年9月21日にインドネシアのジャカルタにあるSultanホテルで、京都大学、ITB工科大学、京都大学グローバルCOEプロジェクトアジア・メガシティの人間安全保障工学拠点によって開かれ、12名の発表者と113名の参加者がいた。松岡俊文教授(京都大学のCCSプロジェクトリーダー)の挨拶で本シンポジウムは開催され、引き続きスピーチが行われた。最初のセッションでは、松岡俊文教授とWawan Gunawan教授が「インドネシアGundih地区における二酸化炭素地中貯留とモニタリングに関する試験的研究」についての国際的協調を紹介した。クリーンで持続可能なエネルギーを作り出すための大きな問題点に言及し、インドネシアと日本の地球物理学者による特にインドネシアにおける二酸化炭素地中貯留技術の適用に対する成果を述べた。
Teguh Rahardjo博士はRISTEKの観点からCCSについて述べた。彼はインドネシアにおけるCCSの試験的研究を支援している。Kardaya Warnika博士はCCSをクリーンエネルギーの新たな取り組みとして位置づけた。そして、CCSは気候変動に対して対策を講じる国家的戦略の一部であると述べた。さらに、より効果的に解決するためには、CCSが他の戦略や方策と組み合されなければならないと思われる。 Awang Satyana氏はBPMIGASの観点からCCSに関して発表を行った。彼は石油産業の上流に関して説明をし、インドネシアにおける石油の貯留層内部の二酸化炭素貯留や、石油産業の上流分野における二酸化炭素の管理に関して述べた。松永啓氏「新再生可能エネルギー開発とエネルギー消費」に対するJICAの貢献について発表した。インドネシア政府や国際地域から支援された、クリーンエネルギー問題に対する新たな取り組みに関して、Vision 25/25で規定された目標は達成し得ると述べた。さらに、JICAはインドネシアのそのような取り組みを様々な方法で支援するつもりである。JSTのヤノマサヒト氏は、インドンネシアにおけるCCS試験的研究と関連して、その使命と目的、JSTとSATREPS (Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)の活動について述べた。
スピーチセッションの後、質疑応答を含む発表がいくつか行われた。最初の発表では、Hilmi Panigoro氏が気候変動のマイナスの影響を最小限にする方法に関して、特に二酸化炭素排出量を最小化することに集中して発表した。Doddy Priambodo博士はGundih地区におけるCCS試験的研究について発表をした。彼は東南アジアにおける温室効果ガスの排出が年々増加傾向にあり、現在世界平均の2倍の量にあたると述べた。2050年、世界の二酸化炭素排出量の減少量は50パーセントを超え、大気中二酸化炭素濃度は400-500 ppmに抑制されると予想されている。この場合、CCSは二酸化炭素を減少させるために不可欠な手段である。サイトウアキラ教授は電磁探査法(EM法)を用いたCCSモニタリングについて発表を行った。彼はEM法や石油探査におけるいくつかの成果、EM法のCCSモニタリングに対する適用について述べた。オニシキョウスケ博士は地震波トモグラフィを用いたCCSモニタリングについて発表した。二酸化炭素の流れをモニタリングすることは、地下への圧入量を把握し貯留層の可能性を評価するために重要である。物理探査データを井戸のログデータや実験データと統合することで、地下の二酸化炭素の流れを評価している。
最後の発表者はキタムラケイゴ博士であった。深部の貯留層における二酸化炭素の飽和度の評価に関する実験的アプローチに関して発表した。彼は地震波探査法が二酸化炭素モニタリングに対して重要で強力な手段であると述べた。
本シンポジウム終了後、インドネシアと日本の代表者がGundih地区を視察のため訪問し、2012年に始まるCCS試験的研究の実行案に関して議論を行った。