イベント詳細
社会の安全と人間安全保障の新しいパラダイムを考える-東日本大震災の教訓から-
開催日:2011年11月22日(火)9:30 -17:00
場所:キャンパスプラザ京都 5階第1講義室
(〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る)
主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
共催:
京都大学防災研究所
後援:
読売新聞大阪本社、(公財)京都文化交流コンベンションビューロー
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出席者数:150
Report 188
概要
本シンポジウムでは、都市の人間安全保障という視点から、東日本大震災からの教訓を学び、アジア地域での災害復興のあり方を共有するとともに、東海・東南海・南海地震などの将来の災害に備えた、新たな安全・安心とは何か、都市の人間安全保障を考える上で必要となる新しい研究・人材育成や実践科学のパラダイムを統合的に討議することを目的に開催しました。
報告
本シンポジウムでは、はじめに中島正愛教授(防災研究所所長)が開会の挨拶、松岡譲教授(GCOE「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」拠点リーダー)が主催者の挨拶を行いました。続いて、陳亮全教授(國家災害防救科技中心・センター長)が「社会の安全と人間安全保障を目指した災害ガバナンスの実現に向けて」の題目にて基調講演を行いました。
続いて、第一部「東日本大震災からの教訓」では、京都大学の関連教員7名が、東日本大震災による構造物被害、津波氾濫被害予測シミュレーションが抱える課題、津波避難情報と避難行動の関連性、ICT技術を用いた情報共有の実例、災害廃棄物量の予測と管理方策、今後の復興まちづくり、人的被害軽減を目指した工学技術など、東日本大震災から得られた教訓について、多岐にわたる観点から報告を行いました。
第二部「アジアにおける巨大災害からの復興」では、堀智晴教授(防災研究所)司会のもと、アジア地域で発生した災害からの復旧・復興過程で得られた教訓を共有することを目的に,菅原茂氏(宮城県気仙沼市市長)とハニフ・アリエ氏(インドネシア大統領府開発管理調整ユニット・副長官)を招聘し、実際に復興過程に携わった実務者の観点から、基調講演を行いました。
第三部「新しい安全の質を考える」では、多々納裕一教授(防災研究所)の司会のもと、齋藤富雄氏(兵庫県初代防災監)、宇恵元昭氏(和歌山県危機管理監)、菅原茂氏及びショウ・ラジブ准教授(地球環境学堂)をパネラーとしてパネルディスカッションを実施しました。東日本大震災や阪神・淡路大震災、和歌山県での豪雨土砂災害などの経験から都市の危機管理が抱える課題について共有化を行うと共に,東海・東南海・南海地震などの今後の災害に備えて、いま各都市が取り組むべき課題について議論を行いました。最後に、大津宏康教授(工学研究科・副研究科長)が、教育拠点としての大学が果たすべき役割を踏まえて閉会の挨拶を行いました。
多くの市民が本シンポジウムに参加し、参加者は約150名を数えました。終始にわたって質疑応答がなされ、その関心の高さが示されました。