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イベント詳細


GCOE若手セミナー −日英両国における新たな汚染物質の発生と管理に関するセミナー−

開催日:2011年12月3日
場所:流域圏総合環境質研究センター

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
流域圏総合環境質研究センター

出席者数:31名

Program
Report 179

目的・概要

京都大学グローバルCOEプログラムと流域圏総合環境質研究センターは、アジアとヨーロッパ大陸における環境研究について理解を深めるために、「日英両国における新たな汚染物質の発生と管理に関するセミナー」を共催した。本セミナーの目的は、次世代の研究者のために、議論を行い、環境研究の実践の中で得られた経験や結果、問題点を議論し共有することである。イギリスCEH(英国生態水文研究所) から Andrew C. Johnson博士を、龍谷大学から越川准教授をセミナーへお招きし、それぞれの研究活動について紹介いただいた。セミナーを実り多き物にするために、セミナー参加者はそれぞれのケーススタディーについて発表を行い、水環境中の新たな汚染物質に関する環境問題を共有することができた。
セミナーの冒頭で、田中宏明教授からRCEQMの紹介および本セミナーの趣旨説明が行われた。

報告

本セミナーは3つのセッションで構成され、全部で10の発表がなされた。1つ目のセッションでは、Andrew博士が銀ナノ粒子への国際規模での曝露についてのCEHの取り組みや、新たな内分泌撹乱問題について発表を行った。Andrew博士は、ナノ粒子やその他の新規汚染物質の効果的な管理には正確な情報が必要であるが、多くの場合その情報が不足していると主張された。天然および合成プロゲステロンについての新たな内分泌撹乱問題についても紹介が成された。医薬品類や抗生物質が下水や河川水で幅広く検出されるようになり、水関係諸機関が、ヒト体内から下水処理場への流入または下水処理場から河川へ混入する排出抗生物質耐性菌の脅威に直面している現状が越川准教授から示された。ユン博士、井原博士および他の学生からは、複雑な環境問題を解決するためのそれぞれの研究について、発表を行った。
最後に、田中教授が、「本セミナーで発表されたケーススタディーは、新規汚染物質を管理する上での適切な管理手法に対して議論を呈する結果となったが、その一方で持続可能な発展のための適切な管理手法の必要性が提起された」との総括を行った。参加者は、様々な高度処理技術による新規汚染物質の適切な管理が、持続可能な環境開発において将来ますます重要になるとの認識で一致した。本セミナーの全ての参加者および発表者に感謝申し上げる。