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イベント詳細


水処理技術に関する国際シンポジウム

開催日:2012年2月21日
場所:京都大学桂キャンパスCクラスター191大講義室

主催:
京都大学グローバルCOE プログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

出席者数:約150名

Report 196

概要

本シンポジウムでは,日本,中国,韓国から水処理技術を専門とする著名な学者を招いて,それぞれ の国における水処理技術の開発および水環境に関する現在の状況,それらにまつわるプロジェクトを紹介し,今後の日中韓での共同研究展開,協働に向けた情報交換・共有を目的とする。

報告

シンポジウムでは,まず,田中宏明教授より「淀川におけるPPCPs 汚染と対策技術」のタイトルで, 近年多くの注目を集めているPPCPs(Pharmaceuticals, Personal Care Products)について,実環境での汚染実態,水環境への負荷源とな っている下水処理場での挙動,また,処理方法の検討等について,説明がなされた。
続いて, 胡洪営教授より「Water Safety Evaluation and Control for Wastewater Reclamation and Reuse」のタイトルで,下水処理水の再利用をテーマに,中国での下水処理水の再利用,再利用水のリスクマネジメント,リスクに係わる微生物の抑制,Dissolved Organic Matter (DOM)の除去,今後の課題について,それぞれ説明がなされた。
最後に,申恒植教授より,「Advanced wastewater treatment in Korea」のタイトルで,韓国での環境 問題に関する説明,また,韓国における国家プロジェクトである,セマングム干拓事業,淸溪川の復元 事業,Eco-industrial park,主要な4 河川 (漢江(Han river) 、錦江 (Geum river) 、洛東江 (Nakdong river)、栄山江 (Youngsan river)) の復元事業に関する紹介,さらには戦略的研究分野であ る,処理場での処理効率向上,リン除去および回収,下水処理水再利用についての説明がなされた。
シンポジウムには,京都大学関連教員・学生だけでなく,他大学,国・地方研究所,民間会社等,他の研究機関からも多くの参加があり,その関心の高さが示された。時間の都合上,討議を行う時間が設けられなかったものの,参加者は,最新の学術的知見に加えて,日本,韓国,中国それぞれをとりまく水環境問題の現状を理解し,それらの問題を解決するために行われている施策、さらには将来ビジョンを得る場となった。



講演者(左から田中宏明 京都大学教授、胡洪営 清華大学教授、申恒植 韓国科学技術院教授)