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イベント詳細


第2回21世紀型都市水循環系構築のための水再生技術の開発と評価に関する シンポジウム

開催日:2012年8月31日
場所:メルパルク東京

主催:
京都大学工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター

共催:
- 京都大学GCOE「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 京都大学EML「環境マネジメント人材育成国際拠点」
- 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(JST,CREST)

後援:
- 国土交通省
- 独立行政法人土木研究所
- 国土交通省 国土技術政策総合研究所

出席者数:約100名

Report 216

概要

20世紀に発達した一過型の水利用システムの問題を解決し,かつ世界的に21世紀に予想される水資源の量的不足と質的悪化に対応するために,都市水循環利用システムの構築を目指した「新たな水処理システム」の開発を行う必要がある。本シンポジウムでは,急速に水利用への適用が高まっている膜技術やオゾン等の酸化処理技術を組み合わせ,水循環利用のための「新たな水処理システム」の開発について研究発表を行うとともに,様々な微量化学物質や病原性微生物などの処理機能,生み出される再生水のヒトを含めた生物への毒性・リスク,使用されるエネルギーの観点から,「新たな水処理システム」について評価し,新たに生み出される再生水の利用用途について議論することを意図したものである。

報告

本シンポジウムは,科学技術振興機構が戦略的創造研究推進事業として,気候変動等により深刻化する水問題を緩和し持続可能な水利用を実現する革新的技術の創出を目標する「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」領域(研究総括:大垣 眞一郎国立環境研究所理事長)で平成21年10月に採択され開始した第1期7課題のなかの一つのプロジェクトである「21世紀型都市水循環系構築のための水再生技術の開発と評価」の一環として開催された。
本シンポジウムでは,21世紀型の循環型都市水利用システムの構築を目指し,水の輸送や廃水の排出を抑制するカスケード利用を考慮したエネルギーの改善と水に含まれるリスク要因を制御する新しい水処理技術を開発し,その利用用途と安全性,エネルギー,環境負荷の特徴に関して多くの研究発表がなされた。具体的には,河川水,下水,下水処理水を対象に種々の分離膜とオゾン・AOP を組合せた水処理システムの検討とともに,水質基準項目の他,ウイルス,微量汚染物質,消毒副生成物などの未規制物質を対象とし,処理性能とプロセス運転に影響を及ぼす天然有機物の組成にも焦点を当てた研究成果について報告がなされた。これらの成果は,対象水に応じたエネルギー,リスク抑制性を明らかにし,分離膜の改良やプロセスの最適化に寄与するものである。また,このシステムを国内外に導入した場合の従来型の都市水利用システムと比べた安全性,エネルギー,環境面での特徴を評価するとともに,地域の個別要求に応じたカスタムメイドなシステムを提案にも繋がるものである。
本シンポジウムでは,水利用の技術や在り方に関心のある多くの研究者・技術者の参加があり,シンポジウムでは水利用に関する活発な意見交換が行われ,今後の都市における水循環系構築のための研究推進に有益な討議が行われた。