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イベント詳細


第三回総合防災に関する国際会議 From Surprise to Rationality: Managing unprecedented Large-Scale Disasters 「不意打ちの出来ごと」から、「理由のある出来ごと」への転換: 先例のない大規模な災害をマネジメントする

開催日:2012年9月7 - 9日
場所:北京師範大学(中国)

主催:
- 北京師範大学
- 国際総合防災学会

共催:
- 京都大学GCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 京都大学防災研究所
- Ministry of Civil Affairs & Ministry of Education
他多数

詳細はIDRiMのウェブサイトにて御確認ください。

出席者数:162名

Report 222

概要

近年、世界中でいくつもの巨大災害が起きている。過去最悪のケースのひとつが3.11東日本大震災であろう。本会議の目的はこのような巨大災害における総合リスクガバナンスの課題に焦点を当てた議論を促進することである。欧米や東アジアの先進国とアジアやアフリカ、南米の発展途上国から災害リスク研究分野の研究者たちが集まり、巨大災害における科学・技術・経済・金融・教育的問題の観点から3日間の集中討議を行った。自然災害に対処し、科学と実践のギャップを埋め、集団意思決定を強化するという新しいアプローチの発見を目指す。

報告

3日間の会議では基調講演2件とパネルセッション、12のパラレルセッション、若手研究者ポスターセッションが行われた。合計31ヶ国から162名の参加者が集い、そのうち中国国外からの参加者は83人に上った。
北京師範大学のFanghua Hao教授と国際総合防災学会(IDRiM)会長の岡田憲夫教授の挨拶で会議は開会し、続いてHaresh Shah教授(米国スタンフォード大学)による総合防災に関する基調講演が行われた。初日のパネルセッションでは想定外の巨大災害(LSD)における防災実践上の重要な課題について、専門家たちによる活発な議論が交わされた。また若手研究者のインタラクティブポスターセッションが行われ、30人以上の多数の若手研究者が研究発表を行った。パラレルセッションではLSDにおけるリスクアセスメントとモデリング、災害リスク研究の新しい傾向と発展、監視・予測・早期警戒システムや、Natechリスク(自然災害起因の産業事故)に関する議論も行われた。
2日目はDouglas Paton教授(タスマニア大学、オーストラリア)による、「災害に強い地域社会(個人・コミュニティー・社会文化的な影響)」と題した洞察に満ちた基調講演が行われた。パネルセッションでは、欧州・米国・中国・日本の著名な研究者による総合リスクガバナンスと地球規模変動について討議が行われた。またパラレルセッションでは,LSDにおける経済影響分析と激甚災害保険制度の推進や,地球規模での気象変動に伴う環境リスクとその適応策、教育・コミュニケーション・集団意思決定などを含むリスクガバナンスの問題についても話し合われた。
最終日はLSDからの復旧・復興のための計画とマネジメントに関する重要な議論で始まった。パラレルセッションでは、マルチハザードとカスケード効果、LSDの経済影響分析、アルジェリア・中国・日本・台湾での災害の教訓を踏まえた災害対策と災害後のガバナンスの問題について議論がなされた。締め括りのセッションでは,本会議で発表された研究成果のサマリーと,議論の中で生まれた新たな課題について,参加者たちが共有した。また総合リスクガバナンスのためのグローバルな大学共同事業体(コンソーシアム)の立ち上げも発表された。
次回はイギリス、ニューキャッスルのNorthumbria Universityで開催されることが約束され、第3回総合防災に関する国際会議は成功のうちに閉会した。