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イベント詳細


水道システムにおける災害対策のための実践的な国際研究ワークショップ

開催日:2012年11月15日
場所:神戸市市役所4号館1階カンファレンスルーム

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジアメガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
神戸市水道局

出席者数:約35名

Report 229

概要

本シンポジウムでは,(1)1994年米国ノースリッジ地震と1995年阪神淡路大震災での経験を共有すること,(2)米国と日本での水道システムの災害対策に関する研究成果を共有すること,(3)耐震化施策などの災害対策の効果について知ること,(4)耐震継手の耐震管導入の制度やシステムを共有すること,(5)水道システムの災害対策の国際研究ネットワークを構築すること,を目的とする.
第1部では,5件の講演とより強靱な水道システム構築のための実践的な国際共同研究に関する議論がなされた.第2部では,耐震継ぎ手の耐震管の布設現場,応急給水拠点(いつでもじゃぐち),大容量送水管の現地視察を行った.

報告

シンポジウムでは,まず,共催者である神戸市水道局松下眞中部センター所長より,開会の辞と米国からの招聘者に対する歓迎が述べられた.
第1部では,Joe Castruita氏(LADWP)からは,「Emergency Response for LADWP’s Water System」と題した講演があり,米国ロサンゼルス市水道電気局の災害対応について紹介がなされた.そこでは,これまでの経験や教訓を活かすことが重要であることが指摘された.Shonnie Cline氏(WaterRF)より,2005年ハリケーン・カトリーナ,2012年ハリケーン・サンディの米国水道システムの経験と教訓について発表があり,災害対応計画と実践とのギャップをいかに小さくしていくのかが水道事業体にとって重要であることが指摘された.橋上重弘氏(神戸市水道局)からは,1995年阪神淡路大震災での経験とその後の震災対策への取り組みについて紹介がなされた.そこでは,今後の災害対策としては,ハード対策とソフト対策との統合的な対策が求められていることが指摘された.
次に,平山修久准教授(京都大学)より,水道システムの災害対策に関する実践的な国際共同研究のフレームについて紹介がなされた.榊恭平氏(神戸市水道局)からは,神戸市における震災対策効果の評価手法に関する研究発表がなされた.Craig Davis博士(LADWP)からは,災害時の上水道サービスの事業継続の観点からの機能評価手法に関する研究発表がなされた.その後のディスカッションでは,水道システムにおける災害対応向上に向けた日米国際共同研究の必要性を再認識した.
第2部では,神戸市水道局浄水管理センターで保管している1995年阪神・淡路大震災での被災管路を見学した後,耐震継ぎ手の耐震管の布設現場,応急給水拠点(いつでもじゃぐち),大容量送水管の現地視察を行った.