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イベント詳細


日中共同研究推進のための分析技術研修セミナー

開催日:2009年10月15日 - 17日、19日、21日 - 23日
場所:流域圏総合環境質研究センター、(株)島津テクノリサーチ、地球環境学堂

主催:
京都大学グローバル COE プログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

出席者数:9名

Report 065

概要

本セミナーでは、清華大学深圳研究生院・清華大学北京本校の学生、清華大学深圳研究生院モニタリングセンターの技術者および深圳市水務局水質検 査測定センターの技術者を京都大学に招聘し、分析技術研修を行うことで、今後の京都大学‐清華大学における一層の研究の推進を目指す。まず、民間分析機関 である島津テクノリサーチにて実務レベルでの分析のノウハウ・スピードとそのスキルを見学したのち、ICPを用いた実習を行う。さらに、京都大学大学院工 学研究科流域圏総合環境質研究センターでは新たな水環境汚染物質として先進国で注目されているPPCPsについて前処理および分析を体験する。また、地球 環境学堂では水の消毒副生成物の分析法を学び、今後の研究に生かす。

報告

京都大学大学院工学研究科流域圏総合環境質研究センターで行われた医薬品の分析研修の一日目(10月15日)は、参加者の自己紹介、流域圏総合 環境質研究センターの紹介および見学の後、LC/MS/MS による医薬品分析の原理を紹介することでスタートした。 1 日目の研修内容はサンプルの前処理方法についてだったが、中国研修生らは微量汚染物質の分析経験が殆どなかったため、研修の際には、前処理過程での試薬の 添加や使用実験材料・装置などに関して積極的に質問をし、活発な議論がなされた。 二日目(10月16日)は、検量線用のスタンダードの作成、 LC/MS/MSの移動相の作成およびLC/MS/MS 分析などに関する研修を行った。 三日目(10月17日)は、検出された医薬品のピーク面積の修正を行った後、回収率の算出方法およびサンプル濃度の算出方法を説明した。 今回の研修により得られた回収率は、普段京都大学で分析をする際に得られる回収率と大きく違わず、研修生らが注意点などをよく守って研修に望んでいた。
10月19日は、(株)島津テクノリサーチにて ICPによる重金属分析の実地研修を行った。 研修に先立ち、微量分析の概要が紹介された。 また、実地研修では、実際に参加者が検量線用の試料を調整し、その試料を測定するなど、より実際に近い形で行われたため、好評を得た。 さらに、10月21日〜23日には、地球環境学堂にて、GC/MS およびGC/ECDを使った消毒副生成物の分析研修を受けた。 前処理は比較的容易であったが、分析に不慣れな参加者も散見され、処理に手間取る場面も見受けられた。
本セミナーでは、国内の3 箇所において、分析化学を使った日本の先端研究に直に触れる事ができた。 このため、通常の授業では得られない貴重な経験を積む事ができた事は、今後の日中共同研究のさらなる展開に向けて重要なものとなった。