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イベント詳細


日本−中国−アメリカ−シンガポールにおける水とその環境安全性に関するシンポジウム

開催日:2010年5月21日
場所:清華大学深圳研究生院C楼(中国)

主催:
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
- 清華大学深圳研究生院

出席者数:約40名

Report 102

概要

京都大学GCOE深圳拠点では、現在、京都大学と清華大学の間で、水をキーワードとして、微量物質の存在実態や新たな水処理システムの適用性評価など多くの共同研究が実施されてきている。また、教育活動の一環として、清華大学深圳研究生院の学生に対して化学分析の技術指導などを実施しており、これにより一定の成果が得られてきている状況にある。本シンポジウムでは、研究のさらなる発展と、国際展開を行うために、アメリカならびにシンガポールの学識者を清華大学深圳研究生院に招聘し、参加4カ国における最新の研究テーマと将来の方向性について講演した。さらに、これらの講演を通じて、学術的な意見交換を行うとともに、共同で実施可能な研究テーマを探る事を目的として、シンポジウムを開催した。

報告

本シンポジウムでは、まずUniversity of Louisiana at LafayetteのRakesh Bajpai教授から藻類の燃料化技術を使った低炭素社会の構築に関する研究が紹介された。次いで、八十島准教授より、日本と深圳におけるPPCPsの存在実態が報告された。また、オバマ政権下で進められている宇宙開発に則ったスペースシャトル内での水処理に関する研究がDaniel D. Gang准教授から発表された。権博士はトリハロメタンの曝露経路に関する研究について、清華大学博士課程のTao氏からは湖沼における富栄養化対策技術についてそれぞれ報告した。さらに、Zhang教授からは珠江デルタエリアにおける水源の浄化システムが紹介された。午前のセッションは、Zhang教授がチェアマンを勤めた。
一方、午後のセッションでは2件の講演が行われた。はじめにHu准教授よりバイオアッセイ技術を応用したクリプロスポリジウムの新たな検出法の開発について講演が行われた。最後に、清華大学博士課程のWang氏から、深圳市内の河川における環境ホルモン類の実態が報告された。午後のセッションにおいては、八十島准教授がチェアマンを勤めた。全ての講演終了後、参加四カ国において、直面している共通の問題とそれに立脚した共通の研究テーマについて議論が重ねられ、特に水道における消毒副生成物について注目していく事で一致した。
このシンポジウムを契機に、各国の協力関係が構築されたことは大きな成果となった。