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イベント詳細


京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」防災研セミナー −都市水害の予測と対策−

開催日:2010年7月27日
場所:京都大学防災研究所 特別会議室(E320D)

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」災害リスク管理研究領域(防災研)

出席者数:30名

Program
Report 106

概要

本セミナーは、文部科学省グローバルCOE「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」の災害リスク管理研究領域の主催で、都市災害の中でも重要性を増している都市水害について、その予測手法と対策に関する最新の研究成果を紹介するものである。
東アジアの国々では、都市化の進展と異常気象により、毎年、多くの水害に見舞われており、最近では地下浸水や高架下のアンダーパスの事故など、わが国の都市水害と類似の水害が現れてきている。
このような背景のもと、地下浸水やその際の避難に関する解析や内水氾濫の詳細な予測手法など、都市水害に関する最新の研究成果を紹介するとともに、水害の 様々な予測手法や今後とるべき種々の対策について、留学生を含めて、総合的な議論を展開することをねらいとするものである。

報告

セミナーでは、石垣泰輔関西大学環境都市工学部教授から「Urban drainage system, underground inundation, and evacuation in extreme flood」、川池健司京都大学防災研究所准教授から「Recent study on inundation simulation due to heavy rainfall in urban area」、戸田圭一京都大学防災研究所教授から「Flood hazard analysis by heavy rainfall in a small river basin in Japan」という題目で話題提供がなされた。
石垣教授の講演では、最近のわが国の都市水害の状況が詳しく紹介されるとともに、実物大の階段模型、ドア模型、車模型を用いた体験型の避難実験の研究成果が報告され、浸水時の迅速な避難の重要性、高齢者の避難の難しさを再認識させられた。
また大阪梅田の地下街全域を対象とした内水氾濫時の浸水解析の結果も、一部紹介された。 川池准教授からは、流域モデルをベースにした詳細な内水氾濫モデルについての講演があり、あわせてモデルの適用事例が紹介された。また、最近実施している地表と下水道との雨水のやりとりに関する実験結果とそのシミュレーション結果についても紹介された。
戸田教授は、あらかじめ様々な豪雨パターンに対して氾濫解析を実施し、その結果を格納しておくことにより、降雨分布を与えれば洪水氾濫の発生ならびにその 程度を予測できる手法を提示した。あわせて、避難情報発令のタイミングについてのコメントもあった。豪雨による都市水害の予測手法の高度化ならびに実用化 は、さらに深めていくテーマである。
各講演終了後いくつかの質問があり、留学生を含めて熱心な討議がなされていた。またセミナーには土木系の教員や学生のみならず、一般企業の技術者や管理者の参加も見られ,このテーマへの関心の高さが示された。

Photos
Left: Participants in Seminar at DPRI
Right: Evacuation Experiment by Use of Door Model (from Prof. Ishigaki's keynote lecture)