イベント詳細
2010年度ベトナムにおける道路アセット管理の実践に関する国際シンポジウム
開催日:2010年9月27日
場所:ベトナム交通通信大学(ベトナム・ハノイ)
主催:
- 京都大学経営管理大学院
- ベトナム交通通信大学
- (独)国際協力機構(Japan International Cooperation Agency)
- ベトナム交通省(Ministry of Transport)
- ベトナム道路局(Vietnam Road Administration)
共催:
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
出席者数:約50名
Report 124
概要
ベトナムにおける持続可能な経済発展を実現するため、適切な維持管理を実施しながら、社会基盤の健全性や安全性を確保することが必要である.アセットマネジメントは,建築期間や構造条件、環境要因が異なる膨大な社会基盤とその設備を維持、管理するための方法論である。その実践のためには、技術的実行可能性や財務支援、政府のコミットメントを考慮した共通のプラットフォームを作ることが大変重要である。
本国際セミナ-の目的は、各研究者や実践者の発表に基づいて、ベトナムだけでなくアジア各国のアセットマネジメントの現状を把握することを目的とする。さらに、ベトナムのアセット管理を実践していく上で必要となる技術や政策について、実践者間で視点を共有することが目的である。
本セミナーでは下記のような議題をもとに討論を行う。
1. ストックの現状把握
2. アセットマネジメントのスキーム
3. アセットマネジメント管理主体
4. 検査・モニタリングシステム
5. 予算・権限配分
6. 管理者・検査者の教育トレーニング
7. ビジネスモデル
8. アセット管理のデータベース
9. アセット管理のソフトウェア
10. 将来ビジョン
11. 技術移転/技術協力
12. 国際協力と人的資源の確保
報告
2010年9月27日、UTCにおいて、京都大学で研究、開発を進めている舗装管理システムの社会実装を図るため、ベトナムの道路管理実務者を集めた実務者会議を開催しました。ベトナム運輸省からNgo Thinh Duc副大臣をお招きした上でベトナムにおける道路管理の現状と課題の共有化を図ると共に、今後の継続的な協力関係を確認しました。会議では、Tran Dac Su教授(UTC総長)が開会の辞を述べると共に、Ngo Thinh Duc氏がベトナムの道路管理の実情について、長瀬利雄氏(JICAベトナム事務所次長)がJIGAのベトナムにおける取り組みについて説明を行いました。続いて、本会議の趣旨説明を小林潔司教授が行い、日本、韓国合わせて3名の実務者が道路管理の取り組みについて紹介しました。ベトナムで普及している道路管理システムの問題点やデータの欠陥が指摘されると同時に、既存システムと互換性を保ちながら新たなシステムを導入するプロセスについて詳細な議論が行われました。最後に、京都大学、UTC、JICA、ベトナム運輸省(Ministry of Transport)、ベトナム道路管理局(Directorate for Road of Vietnam)の間で今後も協力関係を維持していくことを確認しました。