イベント詳細
第3回水供給管理システムとソーシャル・キャピタルに関する国際ワークショップ
開催日:2011年2月21日 - 2月22日
場所:国立ブラビジャヤ大学(インドネシア共和国ジャワ島マラン)
主催:
- Brawijaya University (BU)
- 京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学点」(HSE)
- Institute of Technology Bandung(ITB)
- Institute of Technology Surabaya(ITS)
出席者数:約300名
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Report 137
概要
近年、アジアの開発途上国の経済発展に伴う水資源の量的・質的ニーズの向上、汚染拡大、私有財産化の増大、国の保護政策の強化は、水資源をめぐる競争を激化し、多くの人々の安全・安心・快適な水資源の利用を阻害している。持続可能な地域開発と水資源管理のためには、それをめぐる様々なステークホルダーの利害関係と地域固有の社会的構造を考慮した的確な制度設計が必要である。このような問題意識に基づいて、本国際学会ではアジア各国における水供給管理の現状況と認識を理解すると共に、地域における固有な文化・地域環境や多様な生活様式から生み出す社会資本(ソーシャル・キャピタル)が、水資源の維持管理に果たす役割を明確にして地域的文脈を考慮した持続可能な水供給管理システムを模索することを目的とする。本国際会議を通じて、水資源管理に関わる技術的・政策的問題を発見すると共に比較研究を進め、水供給管理システムのあり方を明示することを期待している。
報告
第3回の水供給管理システムとソーシャル・キャピタルに関する国際会議は、インドネシア・国立ブラビジャヤ大学BUと京都大学グロバルCOEのインドネシア拠点であるITB大学の主催と、バンドン工科大学、ITBスラバヤ工科大学ITSとの共催で行われた。本国際会議では、インドネシアの水道局、NPO、大学関係者、学生、約80名が参加し、熱心な議論が展開された。1日目は、インドネシアBUの副学長Dr. Ifar Subagiyo教授のopening remarkをはじめ、小林潔司教授とAsep Karsidiの基調演説を通じて、水資源管理におけるボランタリー組織の役割と地理情報データの重要性について強調した。2日目は、Dr. Gautam Ray教授による基調演説を通じて、ソーシャル・キャピタルへのアクセスと地域開発との関係の重要性について議論しあった。そして、コミュニティ主導型の水供給管理システムとソーシャル・キャピタルの多元的な意義に関する活発な議論を行うと共に、42編が紹介がなされた。特に、インドネシアの貧困地域における取り組みの現状と問題に対する幅広い視点からの評価や検討がなされた。また、新たな水資源管理に関わる技術的・政策的問題を新たに発見すると共に、水供給管理システムのあり方について議論が行われた。最後に、第4回会議は、平成24年5月、インドネシア・マカサル、Hasanuddin University (HU)で開催される予定である。