イベント詳細
人間安全保障工学分野における交通ロジスティクスに関する若手セミナー:安全かつ持続的な交通ロジスティクスに向けて
開催日:2011年9月16日
場所:京都大学桂キャンパスCクラスター人融ホール
Organized by:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」
Co-organized by:
- 土木計画学研究委員会
- アジア交通学会
出席者数:26名
Invitation
Report 172
概要
本セミナーは,安全かつ持続的な交通ロジスティクス実現に向けたアジア・メガシティの人間安全保障工学における交通ロジスティクスに関する若手研究者によるセミナーです。2011年9月16日に,京都大学桂キャンパスの人融ホールにて開催されました。本セミナーの目的は,アジアメガシティを対象として交通ロジスティクスの分野において,さらに安全安心かつ持続的な枠組みの発展のため学術的に議論することです。こうした革新的な考え方を実施する上での一般の方々の賛同を得ることについても議論がなされました。
報告
セミナーでは,安全性や持続性に関して交通ロジスティクスの現状について,特にアジアメガシティを対象として議論がなされました。安全性に関する主な話題として,航空輸送,危険物輸送,交通事故について議論しました。持続的なロジスティクスのため,環境や燃料に関する問題が重要であることが確認されました。
Kanitpong先生は,運転時の速度マネジメントに向けた運転者個々の特性に基づいたデータの分析を紹介し,タイにおける運転者の速度マネジメントに関する取り組みについて議論しました。Pradhananga博士は,危険物輸送に関する陸路の交通の安全性に関して,提案しました。危険物を輸送する車両が事故に巻き込まれて生じる莫大な影響を考慮し,危険物の輸送時の適切なリスク値の評価に関する分析手法を紹介しました。Saraswatiさんは,航空の安全性に着目しており,ASEAN諸国でのローコストキャリアによる路線が急激に発展していることについて,低価格と安全性に関連性があるのか分析しました。結果として,商業的な航空会社では同等の安全性を保たなければならないので,関連性は見られなかったと報告されました。
Ferreira博士は,燃料問題が引き起こし得るロジスティクスシステムの持続性へのリスクを特定し,ニュージーランドにおける経済状況を考慮してリスクを緩和する方法論を紹介しました。同様に,Teoさんは都市におけるE-コマースのトラックの運行に関して,大気汚染を極力少なくするようどのような政策が実施できるかを評価することを考慮して,都市中心部や郊外部の環境に関して距離課金制の貨物車ロードプライシングの効果を議論しました。
全体として,セミナーを通して,交通ロジスティクスにおける安全性や持続性に関する課題に対して,交通ロジスティクスの分野の学生と研究者間における知識,考え方,経験を共有する場面を提供することができました。