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イベント詳細


2011年度 交通計画に関する京都大学-ベトナム交通通信大学 ジョイントサマートレーニングコース

開催日:2011年9月22日~24日
場所:ベトナム交通運輸大学(UTC)

主催:
- 京都大学経営管理大学院
- ベトナム交通運輸大学(UTC)

共催:
- 京都大学経営管理大学院経営研究センター
- 京都大学グローバルCOE「アジアメガシティの人間安全保障工学拠点」

出席者数:約100名(3日間)

Report 175

目的・概要

人々の交通手段を確保し,その環境整備を促進することは,先進国だけでなく途上国においても,人々の日常生活を支援するために重要である.また,交通は,人々に都市と都市の間の交流の基盤として経済成長や経済活動に影響を及ぼす.交通システムの性能は,数多くの政策的関心事,例えば,空気環境,環境資源の消費,社会的公平性,経済開発,土地利用,都市の成長過程,安全・安心など,に影響を及ぼす.交通計画は,交通と他の社会的目標をつなぐ重要な架け橋である.交通施設計画,需要分析,プロジェクト評価,トリップ調査手法等は,効率的な交通サービス(自家用車だけでなく,バスや電車等の公共交通機関を含む)を実施するために重要であることは言うまでもない. このような観点から,本サマーコースでは,交通計画に伴う基礎的な概念や知識を提供し,実際の都市での適用事例について紹介することを目的とする.本コースの受講を通じて,参加者には,都市交通システムに関する基礎概念や費用便益分析等,交通計画を実践するために必要な知識の理解を促す.

サマースクールの様子・得られた成果

初日には,松島准教授が本コースの目的やアジア地域の経済,交通需要,道路ネットワークについての現状と課題について紹介した.続いて, Dr. Ly Huy Tuanが,ベトナムにおける交通ネットワーク計画及び交通戦略について講義を行った.午後からは,Mr.Chinが,交通計画における実行可能性分析ついて,マレーシアでのPPPプロジェクトの実例を踏まえて講義を行った.最後に,松島准教授より,コーポレントファイナンスの概要とその目的について講義を行った. 2日目には,松島准教授が,プロジェクトファイナンスについての講義を行い,その基礎概念やコーポレートファイナンスとの相違点について講義を行った.続いて大西助教が,交通プロジェクトにおけるPPPの重要性とその理論的役割について講義を行った.午後から,千田氏が需要予測の基礎編として四段階推計法について,また, Mr.Nguyen Trong Hiepが交通需要を予測するためのソフトウェアJICA Stradaの使い方とハノイ市内での適用事例について講義を行った.2日目の最後は,吉田助教が費用便益分析の理論的背景について講義を行った. 最終日には,千田氏がCGEモデルによる都市交通施策の評価について講義し,続いて,小林教授により,CUEモデルによる都市交通施策の評価について講義を行った.最後に,金准教授が,開発途上国に対する援助国の原理について実例を踏まえて講義を行った.

自治体関係者やUTCの講師,学生が本サマーコースに参加し,その参加者は,3日間総計100名を数えた.各講義の後には,講師と参加者の間で積極的に質問や議論が行われ,特にベトナムの将来の交通計画に対する質問が多くなされた.最終日には,本サマーコースの参加者に対する修了書の授与式が行われ,小林教授より講師と学生の間の理解深化の相互作用とその重要性について講演し閉会した.