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イベント詳細


J-DESC コアスクール 第4回ロギング基礎コース

開催日:2011年10月8日 - 10日
場所:京都大学工学部(吉田キャンパス)

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)

出席者数:12名

Report 171

概要

坑井を掘削した際に、連続的な岩石物性値を得る方法として物理検層が行われている。最近では掘削時同時検層(LWD)を実施することによって、掘削直後の新鮮な状態での地層の物性が測定され、岩石コアを用いた試験・計測との対比・補完も行われていることから、物理検層はエネルギー資源開発や科学掘削において重要性を増してきている。
日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)では、コアスクールと銘打った講習会を実施しているが、その一つである「ロギング基礎コース」では、標準的な検層作業で用いられる機器類やそれらを用いた計測手法の基礎を学び、取得されたデータを用いたデータ解析の実践演習を通じて、検層に関する基礎的な知識を習得することを目的としている。本コースはこれまでに3回開催されているが、今回は初めて関東圏以外での開催となった。

報告

本スクールは4名の講師、8名の受講生が参加した。受講者8名の内訳は2名が学部学生、4名が大学院学生、ポスドク1名、研究者1名であった。
大学院で検層に関する研究をする予定の学生や、実際に陸上・深海掘削に参加している学生・研究者が大多数で、頻繁に質問が出るなど、大変熱心な受講状況であった。
講義では、1)掘削・検層の基礎、2)電気検層、3)ガンマ線・密度・孔隙率検層、4)音波検層・VSP、5)孔壁イメ-ジ、6)データ解釈概論、7)コア-ログ-サイスミック・インテグレーション(CLSI)、の各項目について各講師から解説があった。この中では、一般的な各種の物理検層項目に関する説明だけではなく、各講師の経験に基づくデータ取得とその解析作業の実際についても、紹介があった。
演習では、参加者を2-3人ずつ3グループに分け、必須課題と選択課題の両方に取り組んでもらった。使用したデータは、小笠原諸島近海で実施された科学掘削で取得されたものを使用した。受講生は検層データの出力結果を机一面に広げて作業を進めつつ、活発な議論を展開していた。演習作業の成果を班毎に発表してもらったが、独自のデータ解析とその解釈を行っており、受講者がコースの目的を上回るレベルに達したことを確認した。