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イベント詳細


日本ー中国南部地方水道技術交流セミナー

開催日:2011年11月16日
場所:京都大学桂キャンパスCクラスターC1講義室3(172)

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

出席者数:20名

Report 185

概要

本セミナーでは,湖南大学・深圳水務集団の方々を招聘し,水道技術に関する現状と取り組み,東日本大震災における被災状況および対策に関する講演を行う。そして,日本と中国南部地方間の水道事業の取組み,人間安全保障工学における水道の役割について討論し,両国間の浄水処理技術の発展と交流を深めることを目的とする。

報告

本セミナーでは, 「日本の浄水処理技術の現状と課題」,「東日本大震災」の2つのテーマに関して発表が行われた。まず伊藤禎彦教授より,「日本の浄水処理技術の現状と課題」に関して,高度浄水処理プロセスとその実力についての説明や,人々の水道水に対するニーズの変化,浄水処理システムの今後の展望について発表が行われた。続いて越後信哉准教授より,研究紹介として「カルキ臭の制御」,「微生物学的安定性」,「微生物リスク評価」,および「都市地下帯水層を利用した高度リスク管理型水再利用システムの構築」に関する説明が行われた。
招聘者からは,日本の水道水中の残留塩素濃度や水質基準,再生処理水の利用用途や状況など,日本の水道事業の現状に関して質疑があり,中国南部地方の処理技術や水質基準の考え方を交えながら議論が行われた。
続いて平山修久准教授より,東北地方太平洋沖地震により発生した津波の映像や,倒壊した家屋の写真など,東日本大震災の被害状況と現状についての発表が行われた。最後に,伊藤禎彦教授より「東日本大震災における応急浄水処理施設の導入と今後の震災対策」のタイトルで,水道復旧の基本プロセスや震災後の環境汚染,応急給水の観点から今後の震災対策についての発表が行われた。
質疑では,東日本大震災により破損した管路数の計算手法や,応急浄水処理で取り上げられた膜処理の導入費用などについて,様々な議論がなされた。
本セミナーを通じて,日中の水道技術の交流を深めることができ,今後の両国間における水道技術や災害対策のあり方に関して,有意義な議論を行う場となった。