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イベント詳細


淀川水系における水質リスク管理ワークショップ

開催日:2012年6月22日
場所:尼崎浄水場(兵庫県尼崎市)

主催:
都市衛生工学研究室及び阪神水道企業団

共催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

出席者数:30名

Report 211

概要

本ワークショップでは,日本の中でも大規模な処理能力を有しており,阪神淡路大震災という大災害を経験した尼崎浄水場の施設見学や阪神水道企業団の方との交流を通じて,実際に用いられている浄水処理技術の学習や震災対策などの実際の現場での知識を得て,今後の研究や処理場の抱える水質リスクについて考える機会を得ることを目的とする.

報告

本ワークショップは,阪神水道企業団の長塩氏による歓迎の挨拶で始まり,尼崎浄水場の処理能力等の紹介や尼崎浄水場紹介ビデオの鑑賞をした後に施設見学を行い,最後に施設に関する質疑応答といった流れで行われた.
施設見学は2つのグループに分かれて行い,各処理プロセスや水質管理室などの見学を行った.尼崎浄水場は,敷地面積が66,434m2で,施設能力が373,000m3/日の浄水場であり,①着水井,②凝集沈殿槽,③オゾン接触槽,④活性炭吸着槽,⑤凝集混和池,⑥高速ろ過池,⑦浄水池といった高度浄水処理を導入したフローを採用している.①着水井には淀川からの2本の導水管と処理場からの逆流水が供給されている。尼崎浄水場の特徴として,⑥の高速ろ過池が挙げられる.オゾン,活性炭処理によりろ過性が向上していることを利用し,ろ材に無煙炭を用いて有効径を大きくし,処理速度を向上させる事で,省スペースでの処理能力の向上を実現している.施設見学では,沈殿池に用いられている傾斜板や,浄水場の水質管理体制,高速ろ過池に用いられている無煙炭についてなど多くの質問が学生を中心に行われていた.
見学後に行われた質疑応答の時間では,オゾン処理副生成物,施設の耐震化,高度浄水処理導入に関するコスト,研究中の浄水技術に関する質問など様々な質問が学生を中心に行われ,水道事業者の方々との有意義な議論を行える場となっていた.