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イベント詳細


GCOEセミナー「火災時の構造挙動:カーディントン実大火災実験から9.11WTC崩壊まで,そして将来」

開催日:2012年12月14日(14:45〜16:00)
場所:京都大学桂キャンパスC2棟 213ゼミ室

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
京都大学グローバル生存学大学院連携プログラム

出席者数:21名

ポスター
Report 236(発表資料含む)(7.1 MB)

目的・概要

このセミナーの目的は,火災による建物崩壊のメカニズムとそれを防止するための工学的方法について学ぶことである。セミナーでは,火災に対処する工学的方法論の英国における発展の経過を解説し,火災に対処するための工学的構造設計の概念を示す。歴史的経過としては,注目を集めた火災事故を踏まえた大規模火災実験が行われた。その結果に基づき,工学的設計法が開発され普及してきた。その矢先にWTC崩壊が起こったため,超高層ビルの耐火設計について方法論の再構築が求められている。セミナー参加者は,火災事故とこれを防ぐための工学的方法の関係を学ぶことができる。

講師について

アシフ・ウズマーニ教授は,英国エジンバラ大学の社会基盤環境センター長である。学術的バックグラウンドは計算力学で,日常時の構造設計に加えて,特に火災時の構造挙動の予測と崩壊防止のための設計法を研究している。火災時の構造予測の数値計算方法に関して著名な研究者である。

セミナーの様子・得られた成果

講師により,英国エジンバラ大学における15年間の研究成果が示された。1990年代中盤にカーディントン実験場における実規模火災実験から学んだこと,その成果が英国内の建築の構造設計に与えた影響が概説された。2001年9月11日のWTC崩壊は,高層および超高層ビルの構造耐火設計の基本的コンセプトの再考を迫られている。 エジンバラ大学における超高層ビルの研究は,WTCなどの超高層ビル特有の火災に対する脆弱性を明らかにした。研究の結果,多層同時火災における構造体の特異な挙動を明らかにした。これらの研究成果を踏まえ,構造体の性能的な耐火設計を実現する努力が行われている。セミナーの最後の部分では,これに関連する研究内容が紹介された。 本セミナーを通じて,英国での計算力学に基づく構造耐火設計が普及を進めていること,特に超高層ビルに対しては,既存の設計手法では不十分であり,仮想同時火災などの火災シナリオに基づいた合理的方法の必要性を認識できた。