calender bar inside bar contact bar links bar link

若手海外活動研修 > 2009年 > 大泉 伝

大泉 伝

ネパール・ヒマラヤの地形が氷河の融解と氷河湖拡大に与える影響に関する研究

工学研究科 都市環境工学専攻 環境防災工学講座 洪水災害工学分野
行き先:Imja氷河湖,クンブ・ヒマラヤ地域(ネパール国)
期 間:2009年10月9日〜11月13日
私はヒマラヤの氷河の融解と氷河湖の拡大メカニズムに関する研究を行っています。ヒマラヤの周辺国では、氷河 の融解速度の加速や、融解水が形成した氷河湖が決壊し発生する"氷河湖決壊洪水"が大きな問題になっています。しかし多くの氷河は標高5000m付近に位 置し、十分な観測や調査結果がありません。今回の調査は単身で観測地に赴き、10日間の気象観測を行いました。 観測の結果と現地の様子から、氷河の融解は広く認識されているような温暖化による気温上昇が直接的な要因ではなく、強い風による氷河の風化作用が主な要因であるという仮説を得ました。 インターネットの発達で容易に最新の報告や論文が手に入っても、やはり現地に行かないと分からない事が多い事を痛感しました。 観測地周辺で暮らしている人と話した時に、「研究者や記者は写真を撮って帰って安易に“Imja湖は危ない”と世界に報道するから嫌いだ。調査は聖なる山を汚すことになる。」という話を聞きました。 海外での観測に成功するには現地の人に研究に興味を持ってもらえるような意義を説明する必要があり、その為には語学だけでなく、相手の文化にも配慮したコミュニケーション能力を磨いていくことが非常に重要であることを実感しました。

<<    >>