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イベント詳細


中国12次5ヶ年計画のための日本の上下水道と河川浄化技術に関する現地セミナー

開催日:2010年8月5日 - 6日
場所:東京都東村山浄水場、砂町水再生センター、千葉県逆井河川浄化施設、国土交通省北千葉導水事業と古ヶ崎河川浄化施設

主催:
京都大学グローバルCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」

共催:
京都大学EMLプログラム「環境マネジメント人材育成国際拠点」

出席者数:21名

Report 112

概要

清華大学環境科学与工程系では、国家プロジェクトである第十一次五ケ年計画に続く第十二次五ケ年計画を実施する見込みであり、特に、黄教授・文 教授のグループでは、清華大学の指導のもとで太湖の水質と水利用の向上を目的に無錫市での上下水道の処理の改善計画や技術開発、河川での直接浄化などの展 開が期待されている。これらの目的のもと、黄教授・文教授を中心とした第十二次五ケ年計画の主要想定メンターに対し、日本の先端の上下水道処理技術や合流 改善技術、汚泥利用技術、さらには河川直接浄化などの現地視察を行い、その理論や効果を学ぶとともに、同プロジェクトへの反映を促す。

報告

行程は、8月5日に東京都水道局(水運用センター・水質センター・水道歴史館)と東村山浄水場視察で、8月6日に砂町水再生センター、逆井河川 浄化施設、北千葉導水諸施設と古ヶ崎河川浄化施設視察であった。 視察団からは活発な質疑があった。浄水処理については、主に各処理ユニットのオペレーションに関連する経験値と、水質が急変した場合の対応方法であった。 処理過程に生成した汚泥の再利用方法(下水処理も同様)についても非常に興味が持たれた。その際、黄教授から、今後の中国においても、環境工学の分野では 各形態の汚泥・水の再利用は注目されるであろう、日本をはじめ、諸先進国がこの分野で持っているノウハウを学習するべきであるとコメントしていた。また、 文教授からも、中国の国情に合わせて、汚泥を燃料に変換するコンセプトを全国の広い範囲で普及しなければならないことが指摘された。水運用センターを見学 していた際、処理水を配分する過程での漏水問題について、豊富な現場経験を持つエンジニアによる説明を受けたが、ささいな質問に対して大変丁寧な回答を受 けたことに対して、視察団全員が起立感謝していた一幕もあった。 中国側と積極的な交流を行い、研究上・業務上に相互の理解を一層深めた。このプロジェクトの主導は、清華大学北京本校であることから、本セミナーを通じ て、これまでにGCOEの健康リスク管理分野、深圳拠点で構築してきた中国側との関係をより強固なものにすることができた。